水彩画 初めに必要なもの いろいろな知識
 

                           中村興太郎水彩で描く風景画教室

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「中村興太郎 水彩で描く風景画教室」で受講生の皆さんに差し上げていたテキストを公開します。水彩画の具体的な描き方は

「初めて水彩で風景画を描こうとする方のために」を。  その他、水彩画を描く上でのいろいろな知識は次をご覧ください。

 画材・水彩画を描くために最初に必要なもの   水彩紙のこと・額と絵の大きさ    初めて色を塗る 

 ペンシル類の使い方
 

  画材・水彩画を描くために最初に必要なもの

 
■スケッチブック  練習の初めでは高価なものは必要ありません。表紙のしっかりしたF4またはF6と書いてあるものを
    お買い求めください。練習が進んで水を多く使う描き方とか、複雑な色の重ね塗りで発色を考える頃になれば、そのと
    きにはしっかりした水彩紙あるいはスケッチブックを買っていただきます。


 ■鉛筆  下書きをするのに使います。普通のHBにしてください。2B、4Bなど、濃いものは画面が汚れるので使いません。
    使い古した短目のものが使いやすいでしょう。


 ■消しゴム  鉛筆で薄く描いた下書きの線を消すために使いますから、ごく普通のプラスティック消しゴムにしてください。
    なお、細かいところを消すのに、このような5ミリほどの太さの棒状のものがあると便利
    です。  


 ■ダーマトグラフ(紙巻鉛筆) 糸を引くと、紙がめくれて芯が出てくるもので、文具店か、画材店にあります。
     これは本来は画材ではなく、ガラスや、プラスティックなど、いろいろなものに書くためのもの
    ですが、耐水性があるので描いたその上にすぐ絵具を塗ることができ、屋外でのスケッチなどに
    便利なものです。色は黒色を買ってください。 ダーマトグラフは、図のように、手のひらの中に
    おさまるようにして持ちます。ナイフでゴロゴロ転がして半分ほどの長さに切っておいてくださ
    い。

 ■サインペン  サインペンは細かい表現が正確にできます。鉛筆でうすく下書きをしておいて、その上
    から描けますから、木造の建物などを描くのに適しています。文具店か画材店にあります。水性。
    顔料インク。耐水性。黒色。太さ0.5と0.3のもの、各1本を買ってください。
     メーカーは問いませんが、書き味に微妙な違いがあります。



 ■絵具 「透明水彩絵具」を使います。はじめから風景画に適した色をそろえようとしても無理なので、とりあえずは12色
    ほどのセットになっているものを買います。メーカーは問いませんが、色調に微妙な違いがあります。のちほど、必要
    な色をバラで買っていただきます。
 
 ■筆洗 
 筆を洗うためと、絵具を溶くための水を入れるものです。子供が学校で使うようなもので十分ですが、
    筆を洗う部分と、きれいな水の入る部分が必要です。

 ■筆  日本画の筆で「隈取(くまどり)筆」の「中」と「小」、「削用(さくよう)筆」の「小」それに「面相(めん
    そう)筆」の「小」、それぞれ1~2本を買ってください。 削用筆は穂先が尖っていて腰が強く、木の葉な
    どを描くのに便利です。面相筆は穂先の短めのものがいいでしょう。 
     すでに水彩画用の筆をお持ちの方は、それでもかまいませんが、基礎的な練習にはやはり日本画の筆をおすすめし
    ます。
      なお、使い古して穂先が丸くすり減った筆でも、それはそれなりの使い道があります。大切にお持ちになることを
    おすすめします。
                   
 ■パレット  チューブから出した絵具が15~18色くらい入るもの。普通のパレットは、絵具を薄めたり混ぜたりする場
    所が平らな広い面になっていて、たっぷりと色を作っておきたいときに流れてしまうので、ほかに、丸い梅鉢型のも
    のをお持ちになることをおすすめします。100円ショップにプラスチック製の軽いものがあります。
     新しいパレットは、絵具をはじいて使いにくいものですが、しばらく使うことによって良くなっていくは
    ずです。
     なお、ご家庭でお使いになる時には100円ショップの食器売り場に、陶器製で適当なものが見つかるかも
    しれません。

 ■筆を拭く布切れ  使い古した薄手のタオルを半分に切ったものが使いやすいと思います。筆に含ませる水の量を調整す
    ることにも使いますので、これも大切な道具です。ティッシュペーパーではだめです。

 ■画板  スケッチブックでの練習が終わって、水彩紙に描くときになると必要です。子供が学校で使うもので十分です。
    新しい画板の木の板には、砥の粉が塗ってあることがあるので、使い初めにはきれいなゾーキンなどでしっかり拭い
    ておきましょう。

 ■わんちん(腕鎮) 絵の細かい部分を描くときなど、筆を持つ手を安定させておきたいときに支えとして使う
    ものです。画材店にはアルミ製、木製などがありますが、高価なのでホームセンターに売っている直径15
    ミリ、長さ1メートルほどの木の丸棒で十分です。
     持ち運びを考えるのなら、ホームセンターにある同じくらいの太さの突っ張り棒が長さを変えられて便
    利です。

 ■イーゼル  スケッチブックや画用紙を張った画板をのせるもの。室内用の木でできたものは高価なので、折
    りたたみ式でアルミ製の屋外用がいいでしょう。机の上ではしっかりした絵は描けないので、ぜひお買い
    求めください。


 ■その他  消しゴムの消しくずを掃き落とすのに、油絵用の硬い丸筆(6号くらい)と、女性がお化粧などに使う柔らかい
    ブラシ(筆)を持っていると便利です。100円ショップにあります。
                          

 練習が進んで、細くはっきりした線や建物の細部を描きたいとき、今まで使っていたダーマトグラフやサインペンのほかに、
 別の画材が必要になります。
 
 ■カーボン  炭素の微粒子であるカーボンブラックで出来ており、やや硬めの、はっきりした黒い線が描けます。
    スプレーフィキサチフが必要です。





 ■ピエールノアール  やや粘り気があり、カーボンより柔らかい描き味。スプレーフィキサチフが必要です。





 ■スプレーフィキサチフ  描いた線が、絵具や水で流れないように吹き付ける絵画用の定着液です。
    合成樹脂をエタノールなどに溶いたもの。  一般的にはスプレー式が使いやすく、画材店に
    あります。(メーカーは問いません) 使い方は
こちらをご覧ください。

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